にかわと顔料を混ぜ色引き用の絵の具として調合します。
顔料と粉をきれいに混ぜ合わせるのが大変難しくこの絵の具の出来が色引の引きやすさ美しさを決めます。
色引きとは扇面に刷毛で色をのせる技法で、全体に色をのせる総引きから、紙の上の方にだけ色をのせる天ボカシや下にだけ色をのせる腰ボカシなど様々です。
刷毛で1枚ずつ職人が手で引き、扇面のアールに合わせて色が変わることなく全て同じ色で引く熟練のなせる技で、「虹のように色を仕上げる」と職人は言います。
また、刷毛と紙と絵の具の相性があり、紙は生き物といわれるほど水を吸ったり弾いたりします。それに加え、色の性質も関係し扇面での絵の具の状態が変わるので色が均等にのるように、刷毛を引き刷毛・めけし・まわし刷毛・シケ刷毛と呼ばれる刷毛で使い分けます。
紙と色と刷毛に職人の腕が加わり同じ調子で何百枚も仕上げます。
舞扇子用 天ぼかし |
夏扇用 総引き |
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